大家好!我是在日本做中文翻译的日本人。
你们听说过虾青素吗?
如果你是女性的话,可能听说过这个词语。
有人会使用过包含虾青素的化妆品。其实,对很多爱美人士来说,这个词语并不谋生。
这次我们要进一步了解虾青素。
首先,我简单地介绍一下虾青素是什么东西。
虾青素是一种类胡萝卜素。特别是虾,蟹,鱼类中含量比较高。你看,虾、蟹、鲑鱼,它们都是红色,这个红色就是虾青素的颜色。
我最近参加了一个食品添加剂的博览会(Ifia JAPAN 2019),在那里没想到知道虾青素除了美容意外还有许多功效和作用。一家公司的演讲给听众留下了很深刻的印象,也让我想进一步了解这个神秘的天然色素。
那么,我要分享一下虾青素是多么了不起的东西。
目次
虾青素到底是什么东西?
虾青素是什么?
虾青素是一种类胡萝卜素。特别是虾,蟹,鱼类中含量比较高。
虾青素
英语名:astaxanthin, astaxanthine
化学式 C40H52O4
分子量 596.82
分子结构
但是,其实虾蟹里本来没有虾青素。它们吃一种”东西”来把虾青素储存在体内。
这个东西就是雨生红球藻!!
…是什么呀???
就是一种绿藻。
它广泛存在于自然界中,形状如下图。
不过,你所看到的这个圆圆的东西,尺寸仅仅30μm。因此我们不能够用肉眼看到这个圆圆的形状。我们却可以看到“绿色水之中”的雨生红球藻。
诶?
那个…
虾青素不是红素的色素吗?
这个…,怎么看都是个绿色的东西。。。
没错!
你说得对。
“虾青素就是红素的东西”,虽然大部分的人都有这样的印象,但是,其实生产虾青素的雨生红球藻本身本来是“绿色”。
不过,因为有一些原因它颜色变红。
是什么样的原因呢?
就是,“压力”!!
营养不足、水分不足、强光(尤其是紫外光)等等,在这种情况下雨生红球藻就会受到很大的压力。
当它受到压力时,为了保护自己的细胞使细胞壁变厚,同时生产虾青素。这时雨生红球藻的颜色才变成红素。
你看,颜色逐渐变红。后来越来越增加虾青素的含量,雨生红球藻的尺寸也变大了。然后进入休眠状态,生产虾青素的过程就结束了。
虾青素的生产过程就是如其。雨生红球藻,它真是棒棒的!!
比如,鲑鱼吃富含虾青素的雨生红球藻,我们吃该鲑鱼。通过食物链我们平时能够经常摄取虾青素。
我还有一个问题。
虾蟹是被煮熟之后就会变红的,对吧?
那么,为什么它们本来不是红素?
假如它们富含虾青素的话,本来的颜色也应该红素,不对吗?
这个问题的答案,在于“游离虾青素”。虾蟹体内的虾青素与蛋白质组成一种复合物,叫“类胡萝卜素结合蛋白”。以这个形式存在的虾青素不是红素,而是蓝色。
煮熟之前的虾蟹都是青灰色,加热之后就呈现红素。
加热虾蟹的时候,因为蛋白质具有热变性,所以它的蛋白质变成“不能和虾青素复合的性质”。虾蟹体内的虾青素离开蛋白质,其外壳都会变成红色。这是我们所看到的虾青素的颜色。
并且,这就是虽然我们所看到的虾青素都是红素,但它的中文名不是“虾红素”而是“虾青素”的原因所在。
我给大家推荐这个视频,看完就很容易理解虾青素是什么东西!
【视频】虾青素究竟是青色还是红色?它真能抗衰老吗?/科普中国
在美容领域的功效
虾青素最主要的功效是抗氧化功效。
抗氧化对美容有什么好处
在美容方面的作用是,可以保护我们细胞来免受衰老。
这是那么好的作用呢!
在日本,含有虾青素成分化妆品很受欢迎。 最有名的品牌是日本富士胶片公司的“ASTALIFT”。
那么,“抗氧化”到底是什么意思?
“抗氧化” 到底是什么
简单地说,“让物质不要氧化”的意思”。
我们获得氧气,而且把它当做能量使用。对我们人类来说,氧气是不可缺少的元素。但是,获得氧气的一部分变成“活性氧”。活性氧是指性质活泼的氧。活性氧这个东西是比较麻烦的。
从化学角度来讲,氧化状态是指一种物质失去电子的状态。
我不明白这个说明…… 你也许会感到如此,但是,在平时生活中我们很容易看到氧化”。
假如一种物质被剥夺电子,会是什么样子呢?
就会生锈。这次以铁为例,很容易知道氧化的部分。
外表的颜色就是,被剥夺电子后的铁的颜色。
生锈这个现象是最有代表性的氧化现象,也是种腐蚀。
氧化导致物质的劣化变质。
这个“劣化变质”在我们体内也会发生。
哎哟…
其实,活性氧具有击退细菌的功效,也有对人体有益。但是,如果活性氧产生过度,引起击败体内细胞,并且使人体受损。
活性氧的这种性质让我们人体衰老。 在人体内本来有抗氧化物质(如尿酸、褪黑素等)。但是,随着年龄增长其功能降低,因此通过饮食或保健品摄取虾青素对保健很重要。
抗氧化物质有许多种类,其中类胡萝卜素是很有代表性的。类胡萝卜素之中抗氧化性最强的色素就是虾青素。跟其他营养素比较的时候,就知道虾青素具有的抗氧化性跟其他的简直不一样!
你看,虾青素的抗氧化性是最强的。(红素是虾青素)
因此虾青素被称为“抗氧化之王”。
抗氧化性与分子结构的关系
那么,虾青素为什么这么擅于“抗氧化”呢?
秘密就在于它的分子结构。
从分子结构角度来看,虾青素育有3个特点。
羟基、酮基和单双键混合的部分。
这3个部分具有“很容易被氧化”的性质。活性氧要找到“去氧化的对象”的时候,如果眼前有“看起来容易氧化的对象”的话,应该马上要去“结合”。
虾青素这样做当我们的替身,我们人体细胞会免受损害。感谢虾青素哦。。。
到底是虾青素,我们了解在美容邻域为什么虾青素一直受欢迎!
关于虾青素和抗氧化性的关系,就到这里。我们要进一步了解虾青素具有的“美容之外的”功效。
在保健领域的功效
具体功效如下:
- 抑制肌肉疲劳
- 提升认知能力
- 改善心理状态
从这里开始通过博览会的演讲所了解的事情来分享一下虾青素的另外功效。并且使用主持报告的Astareal株式会社的研究资料来介绍内容。
首先,根据身体机能状况老年人群分为3种。
A:自己感到身体机能衰退的老年人
B:虽有一些“身体机能衰退”的感觉,但平时生活都没问题的老年人
C:身体机能较好的老年人
抑制肌肉疲劳
A群的老年人在一定期间内摄取虾青素,跟开始摄取之前的身体机能水平作比较。结果是,6分钟的步行距离、每一分钟的步行数量都提增加了。
虾青素具有的抗氧化性作用能够减少运动导致的肌肉疲劳(可以说抑制活性氧个给肌肉带来的损坏),也能够提升线粒体产生能量的作用。
之所以A群的老年人步行距离与数量都增加了,是因为摄取虾青素的老年人能够抑制肌肉疲劳。
这是对与B群的老年人进行过的调查。
在一定的期间内一边摄取虾青素一边运动。结果是,他们不仅能够提高肌肉量和肌力,还增强了锻炼持续力。
专家说持续力和认知能力息息相关。通过这次增强持久力的结果,我们也可以期待虾青素对认知能力的提高有很大的帮助。
改善心理状态
最后看看C群的老年人。他们也一边吃一边运动,然后调查了。
调查后发现,虽然对于身体机能没有明显的变化,但是,没想到有很好的“变化”。
这变化在于,认知能力和心理状态。
我认为,这次在心里方面有了作用太厉害了。
在一定期间内摄取虾青素之后进行调查,他们减少消极情绪。比如,愤怒、混乱、疲劳和紧张等等。
虾青素并不只是红素的东西,也是这么了不起的天然色素!
除了上面所提到的,还有预防糖尿病、动脉硬化,缓解眼睛疲劳。
市场需求预测及发展前景
虾青素益处多多。它是如何生产的?
80年代,对虾青素功效的理解所有变化。现在虾青素尽管生产厂家少,但是世界市场的竞争力还是很大。刚开始商业化生产的时候,虾青素的主要来源是磷蝦。不过,磷蝦中虾青素包不那么高。后来,微細藻類替代磷蝦。现在的主要来源“微細藻類”也属于微細藻類。
生产方法就是这样。将雨生红球藻绿色细胞加入到微藻培养池中进行培养。通过太阳的强光来将雨生红球藻细胞生产虾青素。培养装置的里面也都变红。
主要生产方法,现在也是如此。
但是,我参加博览会时主持报告的Astareal株式会社的研究员说,他们在室内环境中的设备培养雨生红球藻,并且整个生产过程都进行在室内。
在外面培养雨生红球藻有时环境不好,或者如天气、气温等情况也不断改变。这些要素都会影响到虾青素的品质与生产数量。
因此,他们生产方法改变为在室内环境中的培养。
这个,听起来比较简单。但是,在世界上许多公司难以实现。因为,为了实现室内生产模式,确实需要非常高的技术、庞大的投资。当他们开始室内生产时,对他们来说肯定是个很大的挑战。
他们说,现在在全世界上能够在室内生产虾青素只有一家公司,就是Astareal株式会社。
另外,我查了日本专利检索网站。那么,使虾青素当成关键的专利有很多。特别是化妆品厂家、医药厂家和食品厂家。我们可以知道,虾青素不仅是作为抗氧化物质,也是作为一种着色剂被使用。
接下来看一下市场方面。
相关虾青素的市场趋势如何?我看到一个很有趣的报告。
报告称,具有功效性的生物成分市场呈现扩大趋势。因为大家都关注“保持健康”这个话题。在日本,现在的口号就是“人生100年时代”。。。
通过另外数据知道,2022年在日本相关运动障碍综合征的市场规模将得到683亿日元(约合1万亿元)。
给老龄化社会带来哪些期待
这里我要写一下我自己所感到的。
这次参加Astareal做的演讲,有一句话给了我非常深刻的印象。
在身体方面的衰退,并不是单一导致的。跟在心里面的衰退及在社会方面的衰退息息相关。
在心里方面的衰退是指,来自不安或这压力的。在社会方面的衰退是指,来自退休后的孤独感、环境的变化的。
我想一想,比如一位老年人他身体非常健康,但是只有心情不好,应该没有这样的情况。再比如另一位老年人他的身体一直有问题,但是心情都没问题,这样的情况也难以想象。意思是,这两个要素基本上连接在一起,互相受到影响。
我奶奶的状况是这样。(她已经离开了)我奶奶从70岁左右身体机能开始衰退了,特别是步行机能。步行机能没问题的时候,想去哪里,就去哪里。但是,她随着步行机能降低,因为不能去外面,所以心情不好的日子也逐渐增加。她性格本来很开朗。但是,“不能随便去外面”这种状况让她感到一些孤独感。
我认为,她应该有身体好一点的时候。但是,尽管身体状态好还是不好,如果心里有问题的话,都不会有“想去外面”这种感觉。
保持身体健康是当然很重要的。但是,可以说控制我们的身体的还是“心情”这个部分。
所以,“照顾老年人”当我们考虑这个问题的时候,不仅要考虑“增加肌力”“保持体力”,还要意识到怎么维持身体和心理两个方面的健康。我认为,这个是非常重要的。
因为我有这种想法,所以当看到虾青素的报告时很吃惊又很感动。我很期待今后虾青素给我们带来什么样的影响!
老龄化不仅是对日本,对中国也是个很难的问题。老年人所面临的问题哪个国家都一样。这次我学习的事情,我要给中国朋友分享一下。
总结
虾青素是一种类胡萝卜素(红素的天然色素)
它的功效是,
抗氧化、抑制肌肉疲劳、提升认知能力、改善心理状态
对面临老龄化社会的我们给与很大的期待
参考资料来源
アスタリール㈱
Haematococcus属緑藻によるアスタキサンチンの商業生産/アスタリール㈱北村晃利氏
アスタリールニュースレター
㈱リトル・サイエンティスト
㈱シクロケムバイオ
身近な科学・学びを遊びに
富士フィルム㈱
㈱サカタ製作所
江崎グリコ㈱
オリザ油化㈱
富士経済
日本語内容(概訳)
こんにちは。
突然ですが「アスタキサンチン」ってご存知ですか?
女性なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
化粧品や美容ドリンクに含まれていて、「お肌にいい」というイメージが強いですよね。今日はその「アスタキサンチン」を少し掘り下げてみたいと思います。
そもそもアスタキサンチンとは何なのでしょうか?
蟹やエビの甲羅、鮭の身に含まれる天然色素、それが「アスタキサンチン」です。どれも赤色をしていますよね。この赤色、アスタキサンチンの赤色なのです。
先日、ifia JAPAN 2019という食品素材の展示会に参加してきたのですが、そこで開催されるセミナーの中で「アスタキサンチン」を取り上げたものがありました。
テーマ:
セミナー企業:アスタリール株式会社Ifia JAPAN 2019公式HPより
高齢者の認知機能と身体機能および心理状態に対するアスタキサンチン摂取の影響
アスタキサンチンって聞くと「美容」のイメージが強かったので、何で「高齢者」なんだろう?と、気になっていました。
そして、実際にセミナーに参加したあと、アスタキサンチンのイメージがガラッと変わりました!「アスタキサンチンってすごいじゃない!」
私みたいに「アスタキサンチンって美容のためのものでしょ」と思っている人のために、セミナーで聞いてきた内容をシェアしたいと思います。
では、本題に入りましょう。
◆アスタキサンチンってそもそも何?
アスタキサンチンは、黄、橙、赤色を示す天然色素「カロテノイド」の一種です。甲殻類や鮭の筋肉中に存在しています。
アスタキサンチン
英語表記:astaxanthin, astaxanthine
化学式 C₄₀H₅₂O₄
分子量 596.82
しかし、蟹や鮭はもともとその色素を持って生まれてくるわけではありません。彼らはあるものを食べて、体内にアスタキサンチンを摂り込んでいるのです。
その「あるもの」というのが……
ヘマトコッカス藻!!
何それ??
藻です。
自然界に多く分布する藻の一種で、見た目はこんな感じです。
といっても、丸っこいもの1つの大きさは30μmほどなので、そのかたちを肉眼で捉えることはできません。私たちが目にできるのは、薄い青汁のような状態です。(研究員の後ろにあるのが肉眼で見えるレベルです)
あれ?
あのー……
アスタキサンチンって赤色の色素じゃなかったっけ?
これ、どう見てもめっちゃ緑色ですやん。
そうなのです。その通りです。
アスタキサンチン=赤 というイメージが強いのですが、それを生成する力があるヘマトコッカス藻自体は、もともと緑色なのです。
それが「とあるきっかけ」で、赤色になるのです。
そのきっかけとは……
「ストレス」!!
栄養不足や水不足、そして、強い光がヘマトコッカス藻にとって大きなストレスになるのです。
ストレスを感じたヘマトコッカス藻は、「もうやだー!」とばかりに外側の細胞壁を厚くして、守りモードに入ります。このときにアスタキサンチンを生成して、見た目が赤色に変わるのです。
内側から赤くなっているのがわかりますね。その後もアスタキサンチンの蓄積量は増え、ヘマトコッカス藻の大きさも増します。そして、休眠状態に入ります。
最初の緑色:遊走細胞(動きも活発)
赤色が出てきた:パルメロイド細胞(動かないが細胞分裂はまだできる)
完全に赤色:シスト細胞(休眠状態)
こうやって、アスタキサンチンができてくるのです。へマトコッカス藻、なかなかやりますね。
そして、例えば鮭がそれを食べ、体内にアスタキサンチンを蓄積→人間が鮭を食べる、というような食物連鎖で私たちはアスタキサンチンを摂取しているのです。
ここでふとした疑問が浮かび上がってきました。
蟹やエビは、茹でると赤くなりますよね?最初から赤くないのはなぜなのでしょうか?アスタキサンチンが体内にたくさんあるのなら、最初から赤くてもいいと思いませんか?
その答えは、熱によるアスタキサンチンの遊離です。
生体内でアスタキサンチンは「カロテノプロテイン」という、タンパク質と結合した状態で存在しています。この状態のアスタキサンチンは、赤くないのです。
茹でる前のエビや蟹は、赤色ではなく青みがかった灰色をしていますよね。
茹でたり焼いたりすると…… タンパク質は熱で変性するので、アスタキサンチンとくっつけない性質に変わってしまいます。アスタキサンチンがタンパク質と離れて、単独で組織の中に浮き出てくるのです。それが私たちが目にする赤色です。
蟹やエビの中に存在するアスタキサンチンは、タンパク質と離れてやっと赤色になるのですね。
アスタキサンチンは、このようにして私たちの身近に存在しています。
◆よく知られている作用
アスタキサンチンといえば「美容」をイメージする人、多いのではないでしょうか。特に有名な作用といえば、抗酸化作用ですね。
美容分野での貢献
美容分野における抗酸化作用とは、簡単にいうと「肌の老化」を抑制してくれる作用です。
過去にも化粧品や美容関連の商品がたくさん発売されています。
アスタキサンチンが化粧品成分として有名になったのきっかけは、富士フィルムのアスタリフトですね。松田聖子さんと中島みゆきさんのCMが懐かしい~~!
この「抗酸化」って、そもそもどういったことをいうのでしょうか。
抗酸化作用とは
抗酸化とは、簡単にいうと「酸化させない」です。
私たちは体内に酸素を取り入れてエネルギーとして利用することで、生きていくことができます。しかし酸素の中には「活性酸素」という非常に反応性の高い酸素が存在していて、「誰かを酸化させてやる~」と目をギラギラさせています。体内で使う酸素の2%程度と構成比は低いのですが、実はこれがやっかいな存在なのです。
少し難しい話になりますが、「酸化した状態」とは、その物質から電子が奪われてしまった状態のことです。
よくわからんなあ。。。 と思ったあなた!「酸化」は身近で起こっています。電子を奪われると物質はどうなるか…
サビちゃうのです!!
表面の色は、電子を奪われた鉄の色です。
この錆びるという現象、立派な「酸化」であり、腐食の一種です。
酸化は物質を劣化させてしまいます。
これが体内で起こっているのです。
なのでよく「さびないカラダを!」なんて言いますよね。
これは活性酸素が起こす「酸化」から体内組織を守ろう、といった意味なのですね。
この活性酸素、細菌やウイルスを撃退する力もあるのですが、増えすぎるとやっかいなのです。体内の細胞を攻撃して酸化させてしまい、大きなダメージを与えてしまいます。
これが肌の老化を進行させてしまうのです。
人間の体の中には、活性酸素を除去する抗酸化物質(尿酸、メラトニン等)が存在しています。しかしその作用は加齢とともに低下してしまうので、食事やサプリメントによって抗酸化物質を摂取することがアンチエイジング、健康維持にとって大切になります。
参考:
アンチエイジングに重要な「抗酸化作用」とは?食べ物や生活習慣の改善で老化にブレーキを!/江崎グリコ㈱HP
抗酸化作用がある代表的な栄養素に「カロテノイド」があり、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンの抗酸化力は他のものと比較しても群を抜いています。
これが、アスタキサンチンが美容にいいと言われている理由なのですね。
抗酸化力と分子構造
なぜアスタキサンチンはこんなにも「抗酸化」が得意なのでしょうか?
気になりませんか?
その秘密は「分子構造」にあるのです。
アスタキサンチンを分子レベルで見ると、3つの特性があります。
・ヒドロキシ基(両端)
・ケトン基(両端)
・二重結合と単結合が交互に並んだ部分(間部分)
これらの部分は分子の性質上、「酸化されやすい」部分になっています。活性酸素が「酸化してやるー!」と誰かを狙って動き回っているとき、酸化しやすそうな相手が見つかったら飛びつきますよね。
そうすることで、私たちの体の組織が酸化される前に、身代わりになってくれるのです。なんとありがたい……
そんな「酸化されやすい部分」が、分子1つの中に3つもあるなんて。活性酸素の吸着率も上がります。さすがアスタキサンチン、抗酸化物質の王様ですね。
アスタキサンチンと抗酸化作用との関係がよくわかりました。そりゃ化粧品や美容サプリメントの原料に選ばれますわ。
◆今回新しく知った作用
これだけでも十分素敵な「アスタキサンチン」ですが、実は他にも素晴らしい作用があるのです。
それがこちら:
- 筋肉疲労の抑制
- 認知機能の向上
- 心理状態の改善
ここからは、実際にセミナーで聞いてきた内容が中心になるので、アスタリール社が行った臨床試験結果を引用してお伝えします。
まず、高齢者を身体機能のレベル別に3つのグループに分けます。その上で、それぞれの「アスタキサンチンを摂取した人」「していない人」を比べます。
A:身体機能の衰えを感じる高齢者
B:衰えはあるが、自分で生活を維持できる高齢者
C:身体機能が高い高齢者
筋肉疲労の抑制
まず、Aグループ(身体機能の衰えを感じる高齢者)の高齢者にアスタキサンチンを一定期間摂取してもらい、その前後で身体機能を比較。
結果は、6分間の歩行距離、1分間の歩行数ともにアップし、歩行機能改善が認めらました。
アスタキサンチンには、筋肉疲労を軽減(活性酸素によるダメージを抑制)する抗酸化作用や、エネルギーを生産するミトコンドリアの機能を高める作用があることがわかっています。
筋肉疲労が抑制されることで、「より長く」「より多く」歩くことができるのですね!
認知機能の向上
今度は、Bグループ(衰えはあるが、自分で生活を維持できる高齢者)に対して行った試験です。
アスタキサンチンを摂取しながらのトレーニングを一定期間経たあとでは、筋肉の量や筋力のアップとともに、「持久力」もアップするという結果が出ました。
持久力と認知力は密に関係していると言われています。そのため、「持久力アップ」という今回結果は、認知力の向上にも大いに役立つと期待されています。
認知機能の効率より向上には、アスタキサンチン摂取と運動を並行して行うことが大きなサポートになるのではないでしょうか。
心理状態の改善
最後に、Cグループ(身体機能が高い高齢者)にアスタキサンチンを一定期間摂取してもらい、並行して運動してもらいました。
試験期間後の測定では、身体機能は「現状維持」となったのですが(もともとが高いので、それもそうかなと思います)、思わぬところに改善が見られました。
それが、認知機能と心理状態です。
私はこの「心理状態の改善」ってすごいなと驚きました!
試験では、アスタキサンチン摂取後の心理状態を調査したところ、『怒り』『混乱』『疲労』『緊張』などネガティブな要素が改善されるという結果が出ています。
アスタキサンチン、ただの「赤」じゃない、とってもすごい天然色素だったのですね!
この他にも、糖尿病や動脈硬化の予防、目の疲労感軽減という作用も確認されています。
◆商業生産と市場動向
こんなにいいことづくしのアスタキサンチン、どんな風につくられているのでしょうか?
アスタキサンチンの機能性が認知されてきたのは80年代。最初はオキアミに含まれるアスタキサンチンの商業生産が主流だったのですが、オキアミの含有量がちょっとしょぼかった…… そのため、微細藻類由来へとシフトしました。
現在の主流原料であるヘマトコッカス藻も微細藻類すよね!
当初は他の微細藻類も原料として使用されていたのですが、安全性と使用実績の点で、人に使用するアスタキサンチンのほとんどがヘマトコッカス藻由来になっています。
生産方法としては、海にドーン!と培養ドームを設置し、その中でヘマトコッカス藻を育てます。強い光がストレスになってアスタキサンチンを生成すると書きましたが、太陽の光でストレスをバンバン与えちゃいます!(アスタキサンチンよ、出ろ~~!)
現在でもこの「屋内生産」ができるのはアスタリール社だけなんですって。ちなみに、原料の生産拠点はスウェーデンとアメリカにあるとHPに載っていました。
※商業生産に関する内容はこちらの記事を参考にさせていただきました
『Haematococcus属緑藻によるアスタキサンチンの商業生産』/アスタリール㈱北村晃利氏
今でも主流はこの生産方法です。
しかし、私がお話をお聞きしたアスタリール社は、なんと屋内生産をしているとのこと。
外の環境だと日照時間や水温、その様々な条件の変化が激しく、培養の条件を満たせていないタイミングがあったり、品質や生産量が安定しないという問題点が出てきます。
そこで、屋内生産に生産方法を変えたそう。
……と簡単に書きましたが、これってかなり高度な技術がいるし、設備投資もえげつない額になるし、とてつもない大きなチャレンジだったんだろうなーと、お話を聞きながら思っていました。
現在でもこの「屋内生産」ができるのはアスタリール社だけなんですって。ちなみに、原料の生産拠点はスウェーデンとアメリカにあるとHPに載っていました。
生物由来有用成分の市場は拡大傾向。「健康寿命ブーム」の後押しも理由のひとつですね。
そして、注目の訴求機能は……
現在でもこの「屋内生産」ができるのはアスタリール社だけなんですって。ちなみに、原料の生産拠点はスウェーデンとアメリカにあるとHPに載っていました。
※商業生産に関する内容はこちらの記事を参考にさせていただきました
『Haematococcus属緑藻によるアスタキサンチンの商業生産』/アスタリール㈱北村晃利氏
「アスタキサンチン」というキーワードで国内特許を検索すると、化粧品メーカー、医薬メーカー、食品メーカーが出てきます。有用成分としてのアスタキサンチンに加え、天然の着色素材としても活用されているのがわかります。
また、アスタキサンチンを含む「生物由来有用成分」に関して、面白い記事を見つけました。
引用:健康食品、医薬品などの成分・素材の国内市場を調査/富士経済
生物由来有用成分の市場は拡大傾向。「健康寿命ブーム」の後押しも理由のひとつですね。
そして、注目の訴求機能は……
2022年にはロコモ・サルコペニア関連が683億円規模(予測)になっています。
「人生100年時代にアスタキサンチン」となるのでしょうか!?
◆高齢化社会への役割
ここでは少しだけ私が感じたことを書きます。
今回のセミナーでアスタキサンチンの作用に関する話を聞いているときに、印象に残った言葉があります。
「身体的側面の衰え」は単一的に起こっているのではなく、「精神的側面の衰え」と「社会的側面の衰え」と相関している。/アスタリール社セミナーより
精神的側面の衰えとは、心理的な不安やストレスからくるもの。社会的側面の衰えとは、退職や引退による立ち位置の変化からくるもの。
体はピンピンしていて気持ちだけが病んでいるってあんまりないし、逆に体が弱ってきているのに気持ちだけずっと元気っていう状況もないですよね。やっぱりどちらかに引きずられるものだし、相互に影響し合うと思います。
私の祖母がそうでした。もう亡くなっているのですが、70歳を過ぎたころから足腰が弱くなり、以前のように外に出かけられなくなりました。性格はすごく明るかった祖母、いつも笑顔で毎日を楽しみながら過ごしていたのですが、外出の機会が減ると、気持ちも少し落ち込みぎみになる日が増えてきました。
日によっては足がしっかり動く日もあったと思います。でも、気持ちが向かないとなんとなく外に出るのがおっくうになってくるのです。体力維持は本当に大切ですが、やはりその体を動かすのは「気持ち」という心理的パートなのです。
なので、特に高齢者のケアに関しては、「筋力をつける」「体力を維持する」というだけの視点ではなく、「体・心を総合的に維持していく」ということがどれほど重要かと感じています。
この経験から、今回のアスタキサンチンの話はとても響くものになりましたし、これからが楽しみな素材だなと感じました。
日本もそうですが、お隣の中国も超高齢化社会に突入します。高齢者が持つ悩みは万国共通。今回の情報、中国人の友人にも知ってもらいたいと思いました。
◆まとめ
・アスタキサンチンはカロテノイドの一種(赤色の天然色素)
・期待できる作用
優れた抗酸化作用/筋力疲労抑制作用
認知力向上作用/心理状態改善作用
・高齢化社会に向けて期待大の有用成分
~最後に~
今回ifia JAPAN 2019でセミナーに参加するまで、私はアスタキサンチンに関してほとんど何も知りませんでした。アスタリール社のブースを訪問した際にいくつか質問させていただいたのですが、役員の方、研究開発の方ともに非常に丁寧に教えてくださいました。
大変ありがたかったです。
また、アスタキサンチンへの情熱もひしひしと伝わってきて、「こんな方々が開発する素材って、これからどんな風に進化していくのだろう」と、いち消費者として少しワクワクしました。
お忙しい状況にも関わらず、色々なお話を聞かせていただいたことに、この場をお借りして御礼申し上げます。
以上、アスタキサンチンの隠れた威力についてでした。これからの動向にも注目ですね!