イベントレポート

比べてみると面白い!日本と中国「見せ方」の違い~ifia JAPAN 2019より~

ifia JAPAN 2019に参加したときに非常に興味深いことを発見しました。

※展示会のレポートはこちらからご覧ください

2日間色々なものを見て、日本と中国の面白い違いに気が付きました。それは……

日本と中国の『見せ方』の違いです。

私が3つの場面で気が付いた「違い」をシェアしたいと思います。

中国人はテキストがお好き!?

展示会では中国関連のセミナーに参加しました。各パートでスクリーンに投影されるスライドシートが印刷されているのですが、資料中「文字だけ」のシートが圧倒的に多かったのが中国です。

有料プログラムとして開催されていた「第5回日中韓食品添加物フォーラム 」に参加したときの資料がこちらです。

各パートで使用されている言語、作成者は下記の通りです。

中国のパート:
【使用言語】日本語(中国語が翻訳されたもの)【作成】中国担当者
韓国のパート:
【使用言語】日本語(韓国語が翻訳されたもの)【作成】韓国担当者
日本のパート:
【使用言語】日本語【作成】日本担当者
コーデックスのパート:
【使用言語】英語【作成者】コーデックス担当者

※コーデックス…FAO/WHO合同食品規格委員会(事務局イタリア)

そして、スライドシート総数のうち文字だけのシート(イラスト・グラフなし)枚数はこちら。

中国 全15枚中14枚(93%
韓国 全28枚中14枚(50%)
日本 全16枚中10枚(63%)
コーデックス 42枚中24枚(57%)

中国、圧勝です。

詳細をお見せすることはできないのですが、中国のパートを開くと、見開き全12シートのうち、文字「以外」のものが載っているシートは2枚だけです。

中国は「テキスト表記」が好きです。

そういえば…… 中国で大学に通っているときも「文字ベタシート」はけっこう多かった印象です。逆に、ネット上で検索できる英語の資料はイラストが多いですよね!これもひとつの文化といえば文化ですね。

素材よりも「規模」「歴史」

このような展示会は、各企業に出展ブースが用意されていて、そこに自社商品を展示します。もうひとつ展示する大切なもの、それがパネルです。

奥・サイドに自社情報や商品概要のパネルを設置します/参考画像:西尾レントオール㈱

ifia JAPANは撮影禁止だったため実物の写真をお見せすることができないのですが、ここでも日本と中国で面白い違いがありました。

中国の訴求ポイント、それは「自社企業が持つスケール」です。

日本企業がパネル掲載しているものは、大体こんな感じです。

・商品使用後の完成食品 例:ふっくらしたパン、フレッシュなジュース等
・添加物の加工プロセス
・原料の差別化ポイント

一方、中国企業のパネルはこのような内容が目立ちました。

・会社規模 例:中国で最も大きい〇〇の企業
・歴史 例:〇〇年に生産を開始、すでに〇〇年の歴史
・製造に使用する装置 例:最新装置を使用しています

日本のブースは素材自体や使用後の成果を訴求しているのに対し、中国は企業の優位性を示す内容が多かったです。

確かに、日々のニュースを見ていても「新しい橋が完成。世界で一番長い橋」「発電所が稼働。世界で最も高地にある発電所」など、大きさや量といった「分かりやすさ」を売りにしていることが多いです。

このあたりも面白い文化の違いですね。

そして、ここでも「テキスト」が目立っていました。情報量つめ込みすぎと思うようなパネルも……。

やはりこの辺りの「見せ方」には独特のものがあります。中国人はそれに慣れているのだと思いますが、日本で自社をアピールする際は、もう少し角度を変えると見る側もすんなり入れるのかもしれません。

パンフレットは右側ポケット式

最後に、私が一番面白いと感じた違いをご紹介。

それは、「パンフレットのつくり方」です。

私たちにとって、一般的なパンフレットってこんな感じですよね。

B4サイズで見開きになっているパターン。

もしくは、

ペラいちチラシパターン。

しかし、今回中国企業を回ってみて、半数以上がこんなかたちのパンフレットを使用していました。

題して、右側ポケット式!!(勝手に名付けた)

左側は見開きになっていて、企業情報や商品の全体像が書かれています。そして、各商品がカード方式で右側のポケットに収められている、という構成です。

私は過去に食品メーカーで働いていたのですが、様々な企業のパンフレットを見てきました。が、このかたちを見たことは一度もありません。展示会で見る限り、中国ではひとつのスタンダードのようですね。

これ、すごく面白いと思いました。

今回は「日本に出展しに来た中国企業」のパンフレットしか見ることができなかったのですが、「中国で事業展開している日系企業」は、案外この方式でパンフレットを作成したりしているのではないでしょうか。

これから進出する企業は、この「右側ポケット式」でパンフレットを作成すると中国人にとっては見やすいのかもしれませんね。

以上、展示会で気になった日中『見せ方』の違いでした。