翻訳者を目指している方で、対訳素材(中国語・日本語がともに存在する文書)を使用して学習されている方は多いのではないでしょうか。
私もそうでした。
私の場合、特許翻訳者になるための学習する中で「特許明細書」を活用することが多かったです。
特許明細書において中日の対訳素材を探すとき、基本的にはGoogle Patentsを使用して特許を検索していました。

ただ、中国語の場合はうまくみつからないときもしばしば。そして、英日と比べると母数が圧倒的に少ないので、出てくるのは超大手が出願している特許ばかり。
特に、PCT出願ではない特許、中堅どころが出願している特許はヒットしないということがよくあります。
「この特許、面白そう。中国語でも読みたい!対訳学習にも丁度よさそう。でもGoogle Patentsでヒットしない」
今回はこのようなGoogle Patentsでヒットしない特許を、中国のサイトを通じて検索する方法をシェアします。
目次
Google Patentsでヒットしない特許:中対訳素材を得る方法
【ゴール】
中国企業が出願した特許の対訳素材を、テキスト(日本語・中国語)、PDF(日本語・中国語)の形式でそれぞれ得る
まずは特許情報プラットフォームで中国企業が出願した特許を検索。
キーワードに「有限公司」と入れると中国企業が多数ヒットします。
今回は食品に関連するものを見てみたいので、キーワードに「食品」を追加。

今回は、柳州若思納米材料科技有限公司の攪拌式粉砕ホモジナイザーを例に見ていきます。

ちなみにこの特許、Google Patentsで検索してもヒットしません。

PDFファイル(日本語)
まずは日本語の素材づくりから。


1、文献単位PDFをクリック(数字4桁のキャプチャ認証を入力)
2、右下のダウンロードリンクからダウンロード
これでRDFファイル(日本語)は完了です。
テキストファイル(日本語)
次はテキスト素材の作成。秀丸加工にテキストデータが必要です。
先程のページで「テキスト表示」をクリック。テキストに切り替えます。


1、テキスト表示に切り替えて、内容をコピー
2、テキストエディタ(今回は秀丸)に貼り付け
これでテキストファイル(日本語)は完了です。
PDFファイル(中国語)
次はPDFファイル(中国語)の作成。
中国知识产权局が運営する中国专利公布公告にアクセスします。

上部の「高级查询」をクリック

画面が変わります。

上の专利类型の2つにチェックを入れ、申请(专利权)人の欄に、先程の企業名をコピペします。

查询をクリック。
【注意】このときに企業名を簡体字に直しましょう。簡体字がわからない場合は百度ですぐに調べられます

企業名で複数ヒットしました。

あとは図面とタイトルを見ていくだけです。

ありました。この図面、先程の日本語のものと全く同じですね。タイトルからも一目瞭然です。

目的のものが見つかったら、左下の发明专利申请をクリック。

画面が変わります。

アドビがブロックうんぬんと出て、ずっと表示されないままのときがありますが、気にせず下载をクリック。PDFファイルがダウンロードされます。

これでPDFファイル(中国語)は完了です。
テキストファイル(中国語)
次に、そのPDFファイルを開いて、文字を選択コピーします。


秀丸に貼り付けます。
これでテキストファイル(中国語)は完了です。
※改行除去等の後処理が必要な場合は実施します
以上の作業を通して、
①PDF(日本語)
②テキスト(日本語)
③PDF(中国語)
④テキスト(中国語)
を得ることができ、Tradosに組み込んだり、テキストファイルで上下に表示して学習したりと、対訳素材として活用できます。
以上、Google Patentsでヒットしないときの中日対訳を得る方法でした。
ぜひ試してみてくださいね。