特許翻訳者になるために

技術系翻訳おすすめテキスト『中国語特許明細書を読む。書く。』

中国語特許翻訳のバイブル『中国語特許明細書を読む。書く。』

【中国語】特許翻訳おすすめテキスト

中国語特許明細書テキストを読む。書く。

中国語特許翻訳について勉強したいと思っても、発売されているテキストの数がそもそも少ないということもあり、なかなかよいものがみつかりません。

そんな中でおすすめのテキストがあります。それが、『中国語特許明細書を読む。書く。』

例えるとすれば、『翻訳の布石と定石』の中国語版ですね。こちらの書籍は非常に有名で、中国語翻訳を学習されている方も「読んだよ」という方が多いです。

翻訳の布石と定石

両者の違いは、ざっくりこんな感じです。

【言語:中国語】『中国語特許明細書を読む。書く。』
・例文は全て特許明細書を想定したもの
・練習問題はない
・大きい。重い。(約500ページ)
【言語:英語】『翻訳の布石と定石』
・例文は技術系以外のカテゴリも豊富
・練習問題がある
・中サイズ。持ち運びが苦ではない。(約300ページ)

特許翻訳に特化したテキストって、中国語は英語ほど豊富ではありません。その中でもこのテキストは非常にわかりやすく、学習する価値あり!というのが私の感想です。

例文も非常に考えて作り込まれており、

中国語の語学力を上げるのが目的の本ではないので、当然のことながらある程度「読める」ことが前提となってきます。HSK6級あれば十分に学習材料にできますが、5級だとポイントが頭にすんなり入ってこないと思います。(一文一文の理解には問題ないと思います。ピンインもふられていますし)

特許翻訳を目指している方には是非おすすめしたい一冊です。

具体的な進め方(私の場合)

参考に、私の学習方法をシェアします。

・最初の20ページぐらい→例文の中国語と日本語訳を頭で理解しながら、ノートに書き写す。

・30ページぐらいから→中国語の例文をノートに書き写して、自分で日本語訳を書いてみる。テキストを見て赤ペンで修正。

テキスト内の例文は上に日本語、下に中国語のペアリングで書かれているものがほとんどです。ですが、私はいつも先に中国語を書き写していました。

先に日本語が目に入ると、思考が止まってしまうというか、考える前に正解をしってしまって頭を動かさずにスルーしてしまうときがあったからです。

この方法はおすすめです。

テキスト内には文法の解説もありますが、ある程度の長さで中国語文章を書けるぐらいの方だと、さっと目を通すだけで問題ないと思います。自然と身についている内容が多いので、確認程度でよいと思います。

逆に「技術系文書に触れたことがない」という方だと、中国語の言い回しや対応する日本語の使い方の習得に注力すべきです。私もここを重点課題として取り組んでいました。

具体的には「一度、全ての例文(中・日)を自分の手で書く」という方法をとりました。(かなり地味な方法ですが、結局これが一番)

もちろんただ文章を書き写すだけでなく、線を引いたり色付けしたりしてその構造をしっかり理解していきました。

学習する場所

外で電車に乗りながら……はサイズ的にかなりキツイです。大きいです。重さもあるので、一日中持ち歩くのにも適していません。学習するときは絶対に机が必要です。

私は、アルバイトの休憩中(30分~1時間)を「これをやる時間」と決め、机と椅子がある従業員休憩ルームでせっせとやっていました。

家にいるときは「PCがないとできない学習をやっておきたい!」となってしまい、結局いつもそちらが優先になってしまいます。なので、このテキストを使った学習は「アルバイトとセットで」というのが習慣になっていました。

そのため、進捗がかなりのスローペースで、1冊すべての内容を上記の方法で終わらせるまで6カ月かかりました。ただ、その分丁寧にやることを心がけていたので、一文一文しっかり噛み砕きながらできました。(家とは別の空間だと気分も変わり、集中力もアップしますよね!)

目安として、1日2時間✕毎日やれば1~2カ月で終わると思います。

1周目が終わり、2周目の学習方法

テキストに出てきた全ての例文(中国語のみ)が最後にまとめて掲載されているので、2周目はこれを活用します。

具体的には、①自分で訳してみる(全て一度目にしたものです)②翻訳メモリに参考対訳として登録③よく出る用語を用語ベースに登録

当時、自分で素材を選んで翻訳学習をしていたものは有機化学系の内容が多く、機械系など幅広いカテゴリの用語に触れる学習には不足感がありました。このテキストは基本のキのレベルで幅広い技術系の単語が使用されているので、頼りになります。

以上、本日は中国語特許翻訳の学習に使える一冊をシェアさせていただきました。